制御盤をつくる町工場から生まれた「デンセンストラップ」。
きっかけは、製造過程で生まれる電線端材と、一人のスタッフの「得意」でした。
小さなストラップから始まった取組は、今、地域の子どもたちとのものづくり体験や工場見学へと広がっています。
私たちはデンセンストラップを「入口」に、町工場や制御盤の仕事をもっと身近に感じてもらう活動を続けています。

そんな電線に目をつけたのが、アクセサリー作りが趣味の一人のスタッフでした。
「電線でもできるのでは?」と アクセサリー作りで使っていた「平編み」を電線で試してみたことから、最初のストラップが生まれました。
ちょうどその頃、自社製品を持たない町工場として「自分たちらしさを伝えられるものができないか」と考えていた私たち。スタッフの小さなアイデアを会社みんなで育て、「デンセンストラップ」として製品化しました。

「え?これ電線?」が、会話のきっかけに
デンセンストラップを初めて見た方から、よく聞くのが、「え?これ電線?」という言葉です。
普段は機械や設備の中で使われている電線が、カラフルなストラップになっている。 その意外性から会話が始まり、「制御盤って何?」「どんな会社で作っているの?」と、私たちの仕事にも興味を持っていただけるようになりました。
デンセンストラップは、ストラップを販売することだけが目的ではありません。
普段はなかなか目に触れることのない制御盤や、そこで働く人、町工場のものづくりを知ってもらうための「入口」。
私たちは、そんな存在に育てていきたいと考えています。
町工場から、地域の子どもたちへ

デンセンストラップをきっかけに、地域の子どもたちへものづくりの楽しさを届けるワークショップも始めました。
使うのは、私たちが普段の仕事で扱っている本物の電線。
実際に触って、選んで、編んで、自分だけのデンセンストラップを作ります。
2026年には、高校生や倉敷市内の学童児童などを対象にワークショップを実施。学童では、小学3年生から6年生まで72名が参加しました。
私たちが伝えたいのは、編み方だけではありません。
「ものづくりって楽しい」「町工場ってこんなこともしているんだ」と感じてもらうこと。
小さなストラップが、子どもたちにとってものづくりに触れる最初のきっかけになればと考えています。
町工場を、地域の「学びの場」に

工場見学では、高校生などを積極的に受け入れ、普段なかなか目にすることのない制御盤の製造現場を実際に見てもらっています。
「制御盤って何をするもの?」「この電線はどこにつながるの?」
実際の製造現場だからこそ伝えられる、ものづくりの仕事があります。
私たちは、町工場そのものも地域の「学びの場」のひとつだと考えています。
デンセンストラップを作る体験だけでなく、その電線が実際の仕事でどのように使われているのかを知ってもらうことで、町工場や製造業を少しでも身近に感じてもらえたらと思っています。
ものづくりを伝えることで、私たちにも変化が
デンセンストラップの取組は、地域とのつながりだけでなく、私たち自身にも変化をもたらしました。
自分たちにとっては当たり前だった電線や制御盤の仕事に、子どもたちや取材に来られた方が興味を持ち、「面白い」と言ってくださる。
そんな経験を重ねる中で、自分たちの仕事を自分たちの言葉で伝える機会が増えていきました。
一人のスタッフの「得意」から始まった小さなアイデアも、今では会社みんなで育てる取組になっています。
誰かに知ってもらうこと、興味を持ってもらうことが、働く私たちにとっても ものづくりへの新しい誇りにつながっています。
これからも、町工場と地域をつなぐ「入口」に
作る人には誇りを。
触れた人には、ものづくりへの興味を。